スーモ VS ライフルホームズの仁義なき戦い第二弾の幕開け! 民泊市場を巡り、リクルート&Airbnb連合と楽天LIFULL連合の勝者は?!
[本日のアジェンダ]
- それぞれの民泊事業の概要
- それぞれの強みと弱み
- 勝者大胆予想
皆さま。ご無沙汰しております。
前回はエイチームのIncrements買収に関して記事を書きましたので、ゲーム関連企業の記事でも書こうかと思ってましたが、
つい最近、民泊関連でBIGなニュースが出てきたので、急遽そちらについて書くことにしました!!
今回も勝手な予想で記事を書きますので、お付き合いの程よろしくお願いいたします。
(自分の認識が誤っていることもありますので、ご了解ください・・。そしてその際はコメント欄で指摘していただけら幸いです・・)
まずは、昨年の6月に楽天とLIFULL(以下ライフル)が共同出資で会社を設立し(株式会社楽天LIFULLSTAY)、民泊に参入すると発表していました。
そして1/17(水)に不動産ポータルサイトSUUMO(以下スーモ)を運営するリクルート住まいカンパニー(以下リクルート)から、民泊世界最大手のAirbnb(以下エアビー)と業務提携することがプレスリリースされました。
この業務提携はすごく巧妙に仕掛けられているな、と感じました。
そしてすでに民泊に参入するとプレスリリースしていた楽天LIFULLSTAYにとってみれば、これほどの脅威はないかと思います・・汗
あ、あと同日に楽天LIFULLSTAYからも、楽天トラベルにも民泊物件を供給することをプレスリリースしてます。
細かいことを考えるのは後ほどにして、まずはそれぞれのどういうことをするのか、から確認していきましょう。
事業概要
まずスーモ&エアビー連合の事業概要図ですが、下記のとおりです。
さきほどリンクを張った記事にもありましたが簡単に言うと、SUUMOに掲載すると通常のSUUMOのサイトに物件詳細が掲載されるだけではなく、Airbnbにも掲載することができるようになるというものです。
これが実現できれば、オーナーや賃貸管理会社からすると、物件が空室の時でもマネタイズが可能になりますので、空室で民泊も始めることを検討していた人からするととても利用しやすいスキームです。
また、SUUMOにもAirbnbにも物件をそれぞれ掲載しないといけない手間も省けて、一石二鳥になります。
では、楽天&ライフル側はどうでしょうか?
スーモのような概要図をさがしたのですがなかったので(泣)、下記のサイトでご確認ください(ごめんなさい・・・。)
まぁ見たところによると、先ほどのスーモの図の中にあった住宅宿泊運営代行会社のポジションが、楽天LIFULLSTAYといったところでしょうか。(間違ってたらごめんなさい。。)
それで楽天&ライフルの特徴としては、まず海外の色々なサイトと業務提携を結んでいるところです。例えばBooking.comや、中国の民泊最大サイト途家(トゥージア)等と提携を結び、それらサイトに楽天LIFULLSTAYの民泊サイトに掲載されている物件も掲載されるという仕組みになっています。
国内企業との提携では、レオパレス21との提携も最近リリースされてました。このような形でどんどん色々な会社と提携していってます。これもエアビーと対抗する上では正攻法ではあるのですが、その話はまた後ほど。。
あとは、国内9,000万人もいる楽天会員に向けてのアプローチが行えるし、家具やそのた日用品などもすべて揃えてくれるようです(下記の画像)。
また、楽天&ライフルのサイトに掲載された物件は、LIFULL HOME'Sマンスリーというサイトにも掲載され、民泊以外にマンスリー物件としてのマネタイズも図ることができるとのことでした。
強みと弱み
それぞれの強みと弱みをパッと考えてみたのですが、
《スーモ&エアビー連合》
強み:両社ともの圧倒的な認知力、グローバルプラットフォーム
弱み:家具がない物件をどうするの??
《楽天&ライフル連合》
強み:民泊とツアーのセット商材、空き家バンク事業やインテリア事業とのシナジー
弱み:1ユーザーあたり利益の低下
他にもいっぱいあると思いますが、自分は上記を考えました。
スーモ&エアビーの強みの部分は、言及しなくても皆さん同意していただけるとは思いますが、弱み(というより懸念)の部分は、空き家物件ということは家具などがない物件も多い中でどう対処するのか?(家具をオーナー負担でそろえてもらうのか?家具なくてもそのまま掲載してもらうのか・・)という点が気になります。
その点、楽天&ライフル連合はインテリア事業も持っていることから、その辺りのシナジーを効かせられそうな期待が持てます。また、楽天トラベルとシナジーを起こして、ただ民泊物件のサイトではなくて民泊先での体験まで一貫して提供するサービスが行えそうなのが強みになりそうです。(ただリクルートのじゃらんというサービスも存在しますので、リクルート&エアビーはここを上手く使うかどうかでまた優位性が変わってきそうです)
楽天&ライフルの弱みとしては、エアビーのような世界中の人に知れ渡っているグローバルプラットフォームではないので、他のサービスとの提携を結ぶことでしか対抗できないという点です。
そうなると、海外サイトから楽天ライフルサイトへ送客されてきた場合と、エアビ―内で完結される場合だとでは、恐らく後者の方が利益は高いでしょうね・・。
と、まぁ色々書きましたがユーザーの判断軸からすると、どちらがユーザー体験(民泊先でどんなことが体験できるのか?)がより良いかが重要であり、物件でいうと民泊する上でどちらのサイトがより多くの物件があるのか?が大きなポイントでしょう。
そしてより多くの物件を集めるためには、掲載してもらうオーナーさんや賃貸管理会社さんが、自分の物件に日本人だけではなく外国人が来たとしても安心して貸せるような仕組みをいち早く作れた方が、優位に立つでしょう。
(空室だけど外国人には貸したくない、っていうオーナーさんって意外と多いですからね笑)
勝者大胆予想
先ほど最後に触れたように、宿泊者が外国人であっても安心して貸せるかどうか、という点が勝負の分かれ目になるかと思います。
オーナーさんや賃貸管理会社さんの心のハードルを下げるためにも、まずは日本国内の日本人の民泊を後押しするような戦略で行けば、少しずつ道は開けるのではないかと思ってます。
最初は日本人に民泊で貸して様子をみて、後々外国人にも貸せそうなら・・、というのがオーナー心理かと思います。
楽天&ライフル連合としては、楽天トラベルでツアーを通して民泊体験をセットで提供したり、ライフルの空き家バンク事業で築いた地方自治体とのタイアップで全国47都道府県数百数千(?)の市区町村ごとの民泊体験ができるサイトにすれば、国内はもちろん海外の人からも支持が得られると思います。
また、地方創生と絡めて、クラウドファンディングと民泊体験みたいなことも面白そうですね(サイバーエージェントのマクアケと組んでも面白そう笑)
なのでそのような観点からみると、楽天&ライフルに有利かなと思ってます。
一方リクルート&エアビーとしては、すでにグローバルプラットフォームという利点をいかして、いかに海外の旅行者を取りこぼさないかがカギになると思います。そこで使えるのが、(たぶんもうデータとしてはあると思いますが)まだ民泊したことない日本のオーナーさんや賃貸管理会社さんに安心してもらえるように、エアビーで民泊したいユーザーの評価(信用残高みたいなもの)をデータ化して活用していけたら、優位に立つと思います。
例えば、前回○○県で民泊した外国人のAさんは、その滞在時に仲間とうるさくしたため、近隣の迷惑になっていた。その情報をもとに、そのAさんが次回日本にて民泊物件を探す場合、騒音が多少許される物件しか検索できないようにする・・、などのデータ量と活用術は圧倒的なので、そのリソースを上手く活用すると、勝機は十分にあります。
果たして、どちらが勝つのかこれからの動きをチェックしていきます。