【祝】「信長の野望」新作記念!!コーエーテクモHDの決算と株主構成について調べてみた

[本日のアジェンダ]

 

どうもザーニーです。

本日は、いつものIT系の会社とは異なり、コーエーテクモHDという有名なゲーム会社の決算について見ていきたいと思います。

 

というのも、少し前にタイトルにもありますように、「信長の野望」の新作発表予告が出ました!

www.4gamer.net

 

じつは私信長の野望の大ファンでして、「信長の野望・蒼天録(2002年発売)」以降のシリーズを全て購入しております!

(ちなみに今までで一番面白かったのは、やっぱり蒼天録でしたw)

 

ということで、信長の野望ファンとして、コーエーテクモの決算分析をしないとと思い、色々調べてみたところ、業績がとんでもなく高利益体質だったり、株価がここ数年で爆上げしてたり、株主構成がよくそんなにいびつな株主構成で東証一部に上場していられるなとツッコミたくなるような構成だったりと色々ネタが出てきたので、それぞれ思ったことについて書いていきたいと思います。

 

信長の野望」ファンの皆様、必見でございます!

 

コーエーテクモHDの業績について

それではまず初めに2021年3月期の決算についてみていきましょう!

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まず業績ですが、売上はYoY41.6%成長の600億円で着地し、過去最高を達成。利益もそれぞれ過去最高益を達成してますが、驚くべきはその利益率の高さです・・汗

営業利益率40.4%、経常利益率65.1%、純利益率48.9%とそれぞれエグイ高利益率を出してます・・・汗

 

ちなみにモンスターストライクで有名なミクシィですが、EBITDA率17.9%と同じゲーム会社でも大きく利益率に差が発生しています。

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ちなみにコーエーテクモの有名なタイトルは、「信長の野望」を筆頭に、「三国無双」や「戦国無双」等の大人気ゲームシリーズの無双系シリーズや、PS4ゲームで大人気の「仁王」シリーズ等、一度は聞いたことあるタイトルも多いのではないのでしょうか?

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セグメントを見てみると、ほぼゲーム事業ではるのですが、アミューズメントや不動産も少しあるようです。

国別の売上及び、地域別販売本数・ダウンロード数のまとめですが、売上は国内と海外でほぼ同水準であるにも関わらず、販売本数やダウンロード数は国内は2割しかなくほぼ海外で販売されているようです。

詳しくは調べ切れてませんが、おそらくPS4等の普及が進んでいる日本ではパッケージ商品の売上が主なため、1タイトル当たりの販売価格が高く、一方で海外ではまだPS4等のHDが普及していない地域もあるので、パッケージよりもスマホゲームでの売上が主なため、地域別売上構成と販売本数の地域別の割合の違いが表れているのかと思われます。

 

で、スマホ向けゲームだと、どうしてもアップルやグーグルに手数料30%が抜かれる一方で、パッケージ商品だと手数料が抜かれることがほぼなく(ソニーストア内でのDLだと一定割合マージンが抜かれると思いますが、上記ほど高いマージン率ではないと予想してます)

 

今後も日本では前述の「信長の野望」最新作をはじめ、期待できるゲームのリリースが予定されているので、今期も期待できそうです。

 

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ちなみ上記が、2019年1月以降のコーエーテクモHDの株価推移ですが、2020年に入ってぐんぐん伸びているのが分かります。
(実は、この株価の乱高下は、どのゲームのタイトルリリースの発表か?、どのゲームのリリース日か?決算発表要因か?等調べたかったのですが、なかなか膨大な作業になるので、途中で挫折してしまいました・・)

 

ちなみに先ほどの「信長の野望」新作のリリース日である3/28の翌日の値動きですが、その翌々日までにかけて少し暴落しておりました・・。

信長の野望」が株価の上昇要因にはならないようですね・・・。

 

コーエーテクモHDのBS&PLの特徴

では決算発表資料よりもう少し詳しくみてみようと思います。

まだ有価証券報告書がリリースされていないので、決算短信に記載されているBSとPLから拾ってみようと思います。

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まずの資産の部ですが、流動資産のところに有価証券が存在しており、しかも前期末の3億と比較すると52億とめちゃめちゃ多く増加しているようです。

一方で、投資有価証券の残高も710億から1100億円に増加しており、こちらも驚くほど増加しております。

 

こちらですが、前期の有価証券報告書保有株式についての記載がされておりましたが、大きく方針に変化がなければ増加している有価証券は㈱コーエーテクモゲームス保有している有価証券で、ほぼ上場企業株になるようです。

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上記の記載にあるように、上場企業に対しては純投資目的による保有しかないとのことです。この純投資目的というのは、『専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする場合』(「『企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)』に対するパブリックコメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方」より)とされていることから、いわゆる売買によって利益を得るために保有する、売買目的有価証券に近いものと思われ、ソフトバンクグループのように投資会社として一面も持つ会社であるようです。

 

そのためPLにも有価証券の売却損益が計上されているのがうかがえます。

しかも売却益で100億円を稼ぎ出しているので、とんでもない投資成績ではないでしょうか・・・汗

 

その投資成績を買われてなのか、この度ソフトバンクグループの社外取締役の候補者に襟川恵子氏が選ばれているようです!

jp.reuters.com

 

コーエーテクモHDのいびつな株主構成について 

続いて、コーエーテクモHDのいびつな株主構成についてですが、こちらも最新の有価証券報告書がないので、前々期のものからもってきました。

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黄色の帯で塗っているのが、襟川一族の保有及び襟川一族が役員を務めている会社の保有分ですが、もうこれほぼ襟川一族が所有しているといっても過言ではない会社です。

しかも襟川夫妻の娘さん(襟川芽衣氏は取締役、亜衣氏は確か以前監査役だったはず・・。それだとさすがにカバナンスが効かないと意見されて交代になったかも。。。)にも一定の株式を所有させており、一族経営の典型例の株主構成であるのがうかがえます。

 

ちなみに7.61%保有している環境科学株式会社というところも、柿原弘子氏という方が運営している会社で、こちらも柿原一族が役員に名前を連ねる同族経営の典型の会社のようです。

だいぶ昔の資料ですが、コーエーテクモHDが合併する前のコーエー時代にリリースしている下記資料によると、環境科学株式会社は家賃収入のみの売上で生計を立てている会社のようで、こちらもちょっとディープな感じですね・・・。

 

恐らく東証一部に上場するためには、流動株比率が35%以上ないといけないので、環境科学株式会社分も襟川一族が保有してしまうとほぼ65%となり、積極的なファイナンスが行えない、などもあり一旦10%(10%を超過すると上記流動株から外れるので)を超過しない程度分だけ保有してもらっているということかと思われます・・。

http://www.tecmo.co.jp/company/pdf/20080722.pdf

 

この辺、ルール内とはいえ、ガバナンス本当に効いているのかは結構怪しそうな気もしますが、個人的には非常に良い勉強になりました笑

 

信長の野望」新作における要望について

ここからは決算関係ないので、決算関連は上記までとなりますが、「信長の野望」ファンとして、新作に対して要望をしてみたいと思います。

と言っても結局要望は一つでして、オンライン対戦を実現させてほしい!!!というものです。

確か最新作もパワーアップ版にアップグレードされても、オンライン対戦機能は追加されていないので、ぜひこの機能は追加してほしいです!

例えば、戦国時代内の好きな大名家を選択して、兵数を互角にして対戦するなどしてみたいです!!(まぁほぼみんな織田家を選ぶでしょうけどw)

このあたりは是非、ウイイレのオンライン対戦の機能をまねてほしいですw

 

ちなみに、もともとオンライン機能がついてなかったゲームで、のちにオンライン機能が追加した、PS4史上最高のゲームの呼び声高い「ゴーストオブツシマ」というものがありまして、会計上の話も戻るともともとオンラインついてなかったけど、オンライン付けましたみたいな感じだと、おそらくマイナーチェンジには該当しないので、いわゆるソフトウェア計上(資産計上)ではなく、ほぼ研究開発費(費用計上)になるものと想定されます。

 

なので、以外にゲーム会社ってソフトウェア上にあまり存在しなく、有価証券報告書の研究開発費の部分に結構詳細に金額が記載されてるケースなどが見受けられます。

 

と、まぁ本日はこの辺で~