メルカリがBASE株を売却した理由について考えてみた
[本日のアジェンダ]
- メルカリの業績について
- メルカリがBASE株式を売却した件について
どうも、ザーニーです。
だいぶ久しぶりの投稿になりました。お待たせしてしまい、申し訳ございません。
また決算がたくさん出てくる時期になりましたので、色々な会社の決算資料を見ていこうと思います。
まずさっそくメルカリの決算資料を見ていこうと思います。
今回メルカリの決算で個人的に気になった点は、
- メルカリ全体としては、2四半期連続営業黒字!
- メルカリUSがいよいよマネタイズ本格化
- BASE株を売却し投資有価証券の売却益で約70億円
でした。
特に3については、あまり日経新聞でも指摘されておらず(本業ではないところだからなのか)、個人的にはすごい気になったところなので、決算書を色々見てみることにします。
メルカリの業績について
まず、メルカリ全体の業績についてですが、売上は221億円でYoY52%とコロナの影響をしっかり追い風にして高い成長を遂げています。
GMV(流通総額)は、前Q(4~6月)と比べやや減少しましたが、これは季節性によるものと、コロナがひと段落してきた影響もあり伸びなやんだようです。
そしてMAUも前Qとほぼ変わらない数字になっており、このMAUの伸びが一気に寝てしまったのがちょっと不安材料ではあります。
今後よりメルぺイとの連動を加速させてMAUを増やしていく戦略の効果が発揮されていったり、クリスマスや年末年始にかけてまた購買行動が伸びる時期にはなるので、MAUもそれに合わせて再度伸びてくれたらよいのですが、またMAUが横ばいのままが続くといよいよ限界に近づいてきているのか判断の見極めになるのではないかと思います。
一方のメルカリUSですが、こちらもGMVは前年に比べてYoY165%と大きく伸びました。
また、決済手数料の徴収がはじまるようで、次Qより順次徴収が進むようです。
実質的なテイクレートが14%とのことなので、試算してみると(1ドル100円で計算)、
$289M=289億円
289億円×14%=約40億円/四半期売上
ということで、先ほどの資料内にあるメルカリJP営業利益が46億円で、メルカリ全体で3億円の営業利益ということは、メルぺイとメルカリUSで約43億円営業赤字を出しているということになります。
43億円の内訳まではさすがに分かりませんが、前々期のメルぺイの通期の営業赤字が8億円ということを考えると、43億円の大多数はメルカリUSの営業赤字かなと思いますので、メルカリUSの黒字化はまだまだ先かなと思います・・・。
メルカリがBASE株式を売却した件について
さて、個人的に気になった投資有価証券の売却に関してですが、詳しくは下記にリリースがでているのでそちらをご確認していただきたいのですが、BASE売却によりBSPLがどのようになるか、一緒にみてみようと思います。
https://pdf.irpocket.com/C4385/bnNt/vnuu/ChSQ.pdf
https://pdf.irpocket.com/C4385/bnNt/RVSQ/EfoQ.pdf
BS
PL
決算短信を見てみると、まずBSでは、前Qでは58億円だったものが売却されて2.5億円となりほぼ売り切ったことがうかがえます。
BASEはメルカリの子会社ではない(持株比率6.08%)ので、「その他有価証券」の部類になります。この「その他有価証券」とは、毎回時価でBS計上するものの、その評価損益は計上せず、BSの純資産の部の「その他有価証券評価差額金」で調整することになります。
この「その他有価証券評価差額金」が前Qでは約40億円(この40億円の内訳が不明なのでこの40億円まるまるが該当会社の分ではないと思いますが)しかなかったにもかかわらず、PLを見てみると、収益の計上が約70億円あるということは、おそらく前Q終了以降もどんどん株価が上昇しまくっていることが分かります。
では、それだけ急激に株価が上昇しているBASE株をどうして7/21に売却してしまったのでしょうか・・?
考えられるのは、
- メルぺイ及び、メルカリUSにまだまだ投資を続けるのでそのための資金がほしかった(資金の利用用途)
- 10月~12月の年末年始にかけて伸びるであろうGMVを最大化できるために、今Qから仕込んでおきたかった(売却タイミング)
- 上記のような資金用途が必要な時にちょうど良いタイミングでBASEの株価がだいぶ高くなってきたので、銀行借入でもなく第三者割当増資でもなく、株式の売却を選択した
という感じかなと思います。
みなさんはいかがでしょうか?
ということで今日はこの辺で~~