遂に出た!メルカリの決算書を見てみた!
[本日のアジェンダ]
- メルカリの業績について
- メルカリの各指標について
皆様。ザーニーでございます。
今回はついに先日上場したメルカリの6月期年次決算が発表されましたので、さっそくメルカリの業績や各指標についてみていきたいと思います!
結構いろいろな方が記事にしているので、かぶる部分も多いかと思いますが、ぜひご一読いただけると幸いです。
それでは見ていきましょう!
メルカリの業績について
売上高は通期で約357億円、取引高は約3700億円になり、売上はYoY62%成長、取引高も48%成長と、爆速で成長しているのが分かります。
季節変動もあることから4Qはあまり取引高が伸びないようですが、それでも通年での成長率を見ると、とても速いスピードで成長していることが分かります。
営業損益は▲25億円と赤字ですが、国内のメルカリ事業だけでみると黒字化は達成できており、営業損益の計上は海外事業での先行投資が影響しているものとのことです。
英国でのサービスはまだ検証段階とのことなので、海外事業の詳しい情報は米国のものになります。
取引高の伸びは日本市場よりも鈍い27,2%となっており、日本事業よりも今少し伸びが足りない状況です(といっても27%って普通にとても速い成長スピードですが・・)。
費用の伸びで顕著なのが、広告宣伝費と人件費になります。
広告宣伝費に関しては、シートの下にあるように今期は売上高比35%であり、前期の48%と比べると、広告宣伝費に充てた割合を少し減らしたようです。
このシートから、サービスの認知のためにはメルカリは売上の約50%もの広告宣伝費を当初は投下していたことがうかがえます。
それほどまずサービスを認知させ、早期にユーザーを獲得することに注力したことがうかがえます。
各種指標について
それではメルカリの出した決算資料の数字を見ていきながら、各種の数字を見ていきましょう。
まずはEC界隈で一番大切な指標であるテイククレートから見てみましょう。
※テイクレートとは?
■テイクレート計算式
ネット売上=取扱高×テイクレート(Take Rate)
上記が計算式ですので、
357億円=3704億円×テイクレート(%)
テイクレート=9.6%
こちらの数字は、アマゾン(約10%)と同等規模で、楽天(約7%)よりも高い数字を誇っています。
アマゾンや楽天のような業者によるECではなく、メルカリはC2Cなので少し異なるかもしれませんが、高いテイクレートを実現できているところを見ると、マーケットプレイスとして売り手・買い手の双方からも魅力のあるプレイスを築き上げていることをうかがえます。
ではつぎに、CPAを求めていきましょう。
4Qで投下した広告宣伝費は27億円でした。
また4Qで新たに増加したMAUの数は約39万人でしたので、
CPA=27億円(広告宣伝費)÷39万人(新規獲得MAUユーザー数)≒692円(1MAUユーザー獲得コスト)
前回のウォンテッドリーの840円よりは安くMAUユーザーを獲得できているようです。
また4Qの取引高が961億円でMAUが1,075万人ですので、
1ユーザー当たり取引高=961億円÷1,075万人=約8,939円
テイクレートが先ほど算出した9.6%ですので、
売上高(四半期)=約8,939円×9.6%=約858円
858円÷3か月=約286円(一人当たり売上高:一か月)
つまり、まとめてみると
1MAUユーザー獲得コスト:692円
1ユーザー当たり当たり売上高(月):286円
となりますので、
692円÷286円≒2.41・・
大体2か月少しで投下した広告費を回収できているというのが分かりました。
この回収期間は他社と比較しても早期に回収できているのではないかと思います。
現在のメルカリのフェーズからして、日本でも海外でもユーザー数の確保と取扱高の伸びは一番のKPIになるかと思います。
まだまだユーザー数を伸ばしていくため広告宣伝費を今後も売上高に対しある一定基準で投下し続けていくことが予想される中、しっかり短期で広告投下の効果を回収できているのがすごいの一言です・・。
決算説明会では、早期の営業利益黒字化は目指していないとのことなので、どういう投資を今後行っていくのか、今後もウォッチし続ける必要がありそうです!
これからのメルカリに期待したいです。
それでは今回はこの辺で~