シリコンバレーで流行り(?)の直接上場について考えてみましょう

[本日のアジェンダ]

  •  直接上場とは?
  • 直接上場のメリットとデメリットは?
  • Spotifyが直接上場に踏み切った理由を勝手に予想

 

どうもザーニーです。

あけましておめでとうございます!本年もよろしくお願いいたします。

 

記事の決算ネタを探していたのですが、年明けから世界で最も多くの利用者を抱える業務用メッセージアプリの「Slack」や「Airbnb」が直接上場するかも、というニュースが飛び込んできました!

 

forbesjapan.com

 

この直接上場、あまり日本でがあまり馴染みがなく、どういうものかいまいちわかりづらい部分もあると思いますので、今回は直接上場について考えていきながら日本のスタートアップの会社でも起こりうるのかを検討していきたいと思ってます。

 

直接上場について知りたい方、スタートアップ界隈にお勤めでIPOを目指している方などに是非読んでいただきたいです!

 

 

 

直接上場とは?

直接上場とはどういうものなのでしょうか?

色々調べてみたところ、いくつか分かりやすい説明をしてるサイトがあったので、下記にリンクを張っておきます。

 

www.nomura.co.jp

 

野村証券さんのサイトで記載されている内容を要約してみると

  • 新株を発行せず上場
  • 資金調達を主目的としない
  • 証券会社を介さない
  • 証券会社へ支払う手数料が大幅削減
  • ロックアップ期間がない(一定期間、既存株主が株式を売却できない期間)

など、上記のような特徴があるようです。

 

「え!上場(IPO)って市場から資金調達するためにするんじゃないの?!」って思ったと思います。

このあたりが直接上場の特徴であり、経営判断やステークホールだとの関係に大きく影響しているようですね。

 

ちなみに以前ニューヨーク証券取引所で初めての直接上場を果たした「Spotify」についてですが、Spotifyが上場する前までに累計で約2,000億円の資金調達をしており、PL上は赤字ではあるもののFCF(フリーキャッシュフロー 以下FCF)をしっかりと残せている点から、新たな資金調達を必要としていなかったようです。

 

Slack」や「Airbnb」も結構大きな額の資金調達を行えていることから、上場(IPO)することで資金調達をする必要はない、という判断もできそうですね。

 

続いては、直接上場のメリットデメリットを見ていきましょう。

 

直接上場のメリット・デメリットは?

ここでは、上場する会社にとっての直接上場のメリットとデメリットを見ていきたいと思います。

 

まずメリットして出てくるのは、

  • 証券会社を介さない
  • 証券会社へ支払う手数料が大幅削減

この辺りはとてもメリットに働きます。

一般的な上場だと資金調達額の7.5%(間違ってたらごめんなさい)を証券会社に成功報酬として市は支払わないといけません。

ただ直接上場にすると、新規で発行する株式がなく既存株主が保有している株式を市場で売買できるようになるため、会社側から証券会社に支払う手数料が大幅に削減させ上場することができます。

 

デメリットとしては、

  • ロックアップ期間がない(一定期間、既存株主が株式を売却できない期間

この辺の項目があたりそうです。

ロックアップ期間というのは、上場後に株価を安定させるために既存株主に対してある一定期間株式の売買をできなくする施策のことです。

このロックアップ期間が直接上場では設けられていないので、もしかすると上場直後に株価が急落するかもしれないというリスクもあります。

ただ、資金調達を必要としていないのであれば、そんなに株価の一時的な下落については神経質にならなくてもよいという論調もあります。

 

Spotifyは世界中で多くのユーザー数を抱えていることからも、直接上場したとしても株価が下落する可能性が極めて低いという判断をしたのでしょう。

ただし上場後株価の下落がとまらず、10億ドル規模の自社株買いを行っておりますが・・。

jp.techcrunch.com

 

ちなみにSpotifyの業績を知りたいという方は下記の記事がとても詳しく解説してましたので、ご確認ください!

www.americabu.com

 

それでは最後に、どうしてSpotifyが直接上場をしたのかについて、勝手に予想してみます。

 

Spotifyが直接上場に踏み切った理由を勝手に予想

Spotifyの直接上場ですが、Spotifyの上場前の状況は先ほど記載したとおり、多額の資金調達を達成しておりFCFも事業で残せていることから資金調達自体は必要なかった、と言えます。

 

では、そもそも資金調達も必要ないのにどうして上場してしまったのでしょうか?

Spotifyの上場目論見書(F-1)を確認してみたところ上場前の株主構成は共同創業者の二人で約35%の株式を保有しているようです。

その他の株主構成と持ち株比率を見てみると、中にはバリーマッカーシーというSpotifyCFOや、従業員で最高戦略責任者を務めた人なども入っているのを確認しました。

 

有名なVCの名前が入っていないので、ちょっとこの予想は外れてるかもしれませんが、ロックアップ期間がないことでSpotifyへ投資していた投資家が次の投資先への資金をSpotify株を売却することで調達したいと考えて、Spotify側へ上場するようにプッシュしたのではないかと思ってます。

 

もしかするとSlackやAirbnbも上記のような理由なのかもしれませんね。

 

最後に日本のスタートアップ企業で、今後上場する際に直接上場を行う企業が現れるかというところですが、おそらくほとんどないだろうとみています。

(全くないわけではないと思いますが)

 

日本のスタートアップのなかで、SpotifyやSlackみたい数千億円も調達できてるユニコーンは存在せず、資金調達の一つとして上場という手段を用いるケースがほとんどであると思われます。

ただ、最近はVCの投資額も右肩上がりで投資先を探すのに苦労する投資家が多いくらいと聞いたこともあるので、大型な資金調達や累計資金調達額がどんどん大きくなると、直接上場してくる会社も出てくるかもしれません。

 

それでは本日はこの辺で~