メルカリとサイバーエージェントのサッカーチーム買収で分かった、サッカークラブチームの会計的特徴とクラブ運営について
[本日のアジェンダ]
- サッカーチームのBSとPLから読み取れる特徴
- ペイメント競争がJリーグを舞台に始まっている
どうも、お久しぶりです。ザーニーです。
約一カ月ぶりの更新になり、ご無沙汰しておりました!
記事を更新するまでの一か月で結構いろいろな動きがあり、
- サイバーエージェントがもう上方修正だしてきた件について
- ヤフーとアスクルの親子上場の件について
- メルカリの鹿島アントラーズ買収について
などなど、どのネタを記事にするか迷ってましたが、とりあえず先にJリーグがいい感じに盛り上がっている今のうちに記事にする方がよいかなと思い、メルカリと鹿島アントラーズについて取り上げることにしました。
もうご覧になった方も多いと思いますが、メルカリのプレスリリースによると、メルカリが鹿島アントラーズを運営している鹿島アントラーズ・エフ・シー社(以下 鹿島アントラーズ社)の株式の約60%を、もともと運営企業だった日本製鉄株式会社より約16億円で買収したと発表されました。
それにともなって、鹿島アントラーズ社のBSやPLを簡易的に公開されたのですが、これか会計基準的にも、ファイナンスの観点からも、あと各種様々な指標と掛け合わせたデータから見てもなかなか興味深かったので、こちらでお伝えできればと思います。
あ、そういえば、今日曜劇場で大泉洋さん主演のノーサイドゲームという社会人ラグビー部のGM(ゼネラルマネージャー)の主人公が奮闘していく、池井戸潤さん原作のドラマにはまっているのですが、将来的にスポーツチームのGMや経営に興味のある方、また単純にサッカーが好きな方、鹿島アントラーズや町田ゼルビアのサポーターの方など、今回の記事は割と皆さんに読んでもらえたらうれしいです笑
サッカーチームのBSとPLから読み取れる特徴
今回メルカリが鹿島アントラーズ社を買収した件に関して、比較対象があった方が理解しやすいかと思いまして、そこで2018年10月1日に同じネット業界のサイバーエージェントが町田ゼルビアを運営する株式会社ゼルビア(以下 町田ゼルビア社)をすでに買収していたので、そのリリースも一緒に見ていけたらと思います。
まず上記二つの資料についてですが、こちらは鹿島アントラーズ社のBSとPLの簡易(リリースされていたもの)と、株式の取得比率における取得価格の金額です。
これだけじろじろ見てても分からないので、では一方で町田ゼルビアも見ていきましょう!!
上記が町田ゼルビアのBSとPLの簡易版と取得株式比率と取得価格になります。
僕が鹿島アントラーズ社と町田ゼルビア社のそれぞれの内容から読み取ったのは、
- (恐らく)優勝賞金などは売上に計上されている
- 配当金が0円ということで、当期純利益がそのまま繰越利益剰余金(純資産の部)へいってる
- 営業利益率は一桁パーセントなビジネスモデルかも
という感じです。
特に1が結構衝撃的で、企業内で経理をやっている仕事柄、「これって勘定科目なんだっけ?」と考えるのが癖になってしまったのですが、鹿島アントラーズというチームは(興味ない人は申し訳ございません!)結構強いチームで、詳しくは触れませんが優勝賞金や●●大会出場賞金とか結構もらってるようです。
鹿島アントラーズの大ファンの人から聞いたのですが、大体去年で6億円程度は賞金を得ているようなのですが、その賞金てPLのどこに影響するのか見てたのですが、どうやら売上のようなのです。
最初は「営業外利益かな~」って思ってましたが、営業利益と経常利益の差額が400万円程度しかない点と(しかも町田ゼルビアも)、クラブは選手(資産)を抱えトレーニングさせて優勝目指して活動しているので、サッカーチームが優勝を目指して活動し(あわよくば優勝)ていること自体が、役務の提供になるという考え方も成り立つという超会計的マニアックなロジックにより、売上に計上されているものと思われます。
(そしたら、売上予想とかむずくね・・、とか言い出したらもう終わりですねw)
と結構今回は専門的な感じのが出てきましたが、この辺りがBSとPLをさっと読むと見えてくる会計的特徴かと思います。
では、次にファイナンス面を見ていきます。
鹿島アントラーズ社は、買収金額と取得株式比率より算出した結果、
株主価値:26.46億円
債権者価値:12.04億円
企業価値:38.50億円
一方、町田ゼルビア社は
株主価値:14.35億円
債権者価値:1.69億円
企業価値:16.04億円
という感じになりました(計算ミスってる可能性もありますが、このまま進めます笑)
企業価値だけでみると、鹿島アントラーズ社は町田ゼルビア社の約2.4倍の価値がある、と言えるのですが、Jリーグファンとして「鹿島アントラーズと町田ゼルビアが2.4倍しか差がないだと?!おかしくねw」って正直思いました。
色々な指標で見てみても、
1試合ホーム観客数:約2万人(鹿島) 約4千人(町田)
サポーター会員数:約2.7万人(鹿島) 約2千人(町田)
選手への報酬総額:約11億円(鹿島) 不明(町田 ただ3億円以下)
と、まぁ圧倒的な違いがあるのにも関わらず、ファイナンス理論的には約2.4倍しか差がないというのはなかなか興味深いですね!
そういう意味では、メルカリはいい買い物をしたといえるかもです。
ただ、町田ゼルビアでも鹿島アントラーズに勝る指標を見つけました。
それは、サポーター会員売上(売上高/サポーター会員数)です。
鹿島アントラーズは約27万円に対して、町田ゼルビアでは約35万円でした!!
全国にファンがいる鹿島アントラーズと異なり、まだ地域の一中小クラブなので、会員数が少ない分熱狂的なファンが多いということの裏返しでしょうか。
とまあ、一応こんな感じで、読み取ることができました。
ペイメント競争がJリーグを舞台に始まっている
今回の記事はこれでもうほぼ終了したのですが、最後に今Jリーグを舞台にしてもペイメントツールの競争が熾烈をおびているようです。
などなど、このあとPaypayがどのチームと組んで参入するのか?、大変注目してます!
それでは今日はこの辺で~