セントラルジムとルネサンスジムのどちらがコロナの影響が大きかったか見てみました
[本日のアジェンダ]
- セントラルジムとルネサンスジムの決算について
- 2社比べてわかったこと
- アフターコロナ下におけるジムの生き残り戦略について思うこと
どうも、ザーニーです。
先日公開したGMPペパボとBASEの比較記事が思いのほか多くの方に見ていただけたようで、とてもうれしい限りです!ありがとうございました!
BASE社の業績も予想通り好調だったこともあり、記事公開当時は時価総額約300億円だったのが、本日(5/24)時点では約700億円と、大きく株価が上昇してます!!
さて、今回はコロナの影響によって業績に悪影響をもろ受けているジム業界の2社を比較してみようと思います。
少し前にアメリカのジム大手のゴールドジムが破産手続きを開始したとのニュースが流れており、ジム業界自体が非常に苦しい状況下ですが、個人的には趣味の一つが筋トレでして、リラックスやストレスの発散のため週に1~2回は通っていたので、どうか耐えてほしい・・!という切実な願い(?)を持ちながら決算を読んでみました。
本日はそういう心のバイアス(?)がかかってるままの記事かもしれませんが、どうぞお付き合いくださいませ笑
セントラルジムとルネサンスジムの決算について
それではまず各社の業績についてみていきたいと思います。
連結の売上としては、通期で約530億円で前年比約1.6%ダウンして着地しております。
単体では売上約480億円で前年比1.9%ダウンと、売上ベースでみると前年に比べ約1.5~2.0%くらいの影響が出ていることがわかります。
部門別でみると、その他部門を除くと、やはりフィットネス部門が前年比3.0%ダウンしており、コロナの影響を受けているのがわかります。
ただ、以外にもスクール事業と業務委託部門は前年よりも伸ばしており、1~3Q(コロナ前)までがよかっただけかなと思い、前回の決算資料を見に行きましたが、前年比も大体上記の数字と同じくらいだったので、年間通してこちらは売上を伸ばして着地できたということのようです。
おそらくスクールや業務委託(フランチャイズ等?)は年間などのスパンで契約しており、3月のコロナの突発的な影響にはあまり左右されないのかもしれません。
ただ、今期からはスクール事業やフランチャイズのジム自体もストップしていることから、次の決算にはこちらも大きく影響してくることが予想されます。
キャッシュフロー計算書をみてみると、コロナによる休業等の影響に耐えるために短期借入金を約17億円入れてたようです。
それにより3月末現預金残高が約60億円としましたが、これだとほぼ3~4カ月だけでキャッシュが底をつきそうな余力しかないことが予想されるので、また近いうちに借入金を入れる、もしくはすでに4月や5月に追加で融資を受けている可能性が高いものと思っています。
自己資本比率も悪くないことから、おそらく追加の融資も受けることができるものと思われ、すぐすぐの破産というのはキャッシュフローを見る限りはないかなと思います。
続いてルネサンスの方の業績を見ていきたいと思います。
ルネサンスは連結では、売上約450億円で前年比2.2%ダウンで着地、単体もほぼ同じような数字感で着地しております。
売上の規模間でいうとセントラルの方がルネサンスよりも若干売上が大きいく、前年比差額でもルネサンスの方が影響が大きいというのがわかりました。
部門別でみてみると、ほぼすべてで売上が前年比ダウンしていますが、セントラルと異なりルネサンスはスクール部門も前年比ダウンしているようです。
因みに半年前に出されている2Qまでの資料では、ほぼすべてが前年比プラスで着地しているので、これはおそらくコロナの影響によるものが大きいと思います
(下記の資料参照)
ルネサンスのキャッシュフロー計算書ですが、こちらはセントラル以上の借入を実施しています。
短期で32.4億円、長期で12億円の合計44.4億円の借入をすでに実施しており、それによって前期末の現預金27億円から一気に61億円に増やしています。
また、これだけでなく当期にも借入を継続して実施する予定で、
4月末残高100億円を確保したとのリリースもでていることから、この借入によって半年くらいは何があっても大丈夫なくらいの現預金を確保した、ということでしょう。
また、セントラルでもおそらく借入を実施していることを触れましたが、セントラルの方でもおそらくこれくらいの金額の規模の借入が実施されているものと思われます。
ルネサンスの資料には、コロナによる影響がどれくらい出たのか、より詳しい資料がありました。
スクールの休業や休会者の増加や入会者の激減に伴い、売上規模で14億円、営業利益で8億円のマイナスが出ているとのことです。
これが3月~5月まで続いたことを考えると単純計算でそれぞれ3倍した、売上42億円、営業利益24億円以上のマイナス影響が発生している、ということになります。
年間売上が450億円の会社にのとって約10%近い売上がすっ飛んだと思うと、大変厳し状況であるといえるでしょう・・。
ただ、一応借入の実施がされていることもあり、こちらのすぐの破産ということはなさそうで、ひとまず安心しました・・。
2社比べてわかったこと
とりあえず、2社ともすぐの破産はなさそうなので、6月頃からの営業再開によってなんとか経営を継続していってくれるものと思います。
あと、2社比較して思ったのが、セントラルはルネサンスに比べ経営がうまいなと思った反面、ルネサンスは組織力というか危険に対応するスピードの速さが光るなと思いました。
というのも、まずセントラルの方が経営がうまいと思ったのは、ルネサンスとの比較においてですが、売上もあまり変わらず、展開する店舗数もあまり変わらず、また利用者の属性もあまり変わらない両者で、FCFの数字が圧倒的にセントラルの方が高く株主視点や経営視点で見るととてもよい経営をしていると判断できると思います。
ただ、ルネサンスの方が危険に対するスピードが光る、というのはさきほどの借入におけるスピードの速さやアフターコロナの対策をいち早く講じているところから、組織力としてはルネサンスの方が強いのかなとこの2社を比較して思いました。
また、ルネサンスの方は、一応自分たちよりも売上や時価総額が上であるセントラルを追いかけている、という部分もあり、絶対に負けたくない!みたいな気持ちも強いのかもしれません。
一言でまとめると、経営がうまいセントラルと組織力が強いルネサンス、という感じでしょうか。(適当なこと言ってたらごめんなさい。でもこういうのを妄想するのが、決算を読む醍醐味でもあるって勝手に思ってますw)
アフターコロナ下におけるジムの生き残り戦略について思うこと
さて、最後にアフターコロナの世界において、既存のジムはどうやって生き残っていくのがよいでしょうか?
まず両社について言及すると、アフターコロナになってもそんなに大きく変わらないかなと思います。
上記がセントラルとルネサンスのそれぞれのIR資料から持ってきた、会員の年齢割合を表したものです。
こちらを見ると両社ともに50歳以上で約50%以上を占めていることがわかります。
50歳以上の方がオンラインで自宅にてフィットネスを行うというのは、あまり現実的に多くないかなと思いますので、おそらくこのメインターゲットの年齢層へのアプローチを強めていきながら、再びオフラインでのジム運営を回していくものと思われます。
また、スクール部門もスイミングやテニスを自宅で行うのは難しく、こちらもオフラインによる運営が現実的になるかなと思ってます。
よってこの2社に関しては、今までとさほど大きな変化はないとは思いつつ、期待はしているのは、
上記のようなオンラインレッスンのビジネスも開始することから、こちらのサービスがどれくらい伸びるのか?を今後見ていきたいなと思ってます。
最後に筋トレ好きな見地から、今後のジムについてコメントすると、個人的には一人で黙々と鍛えるより数人で行って鍛えるほうが好きではあるので、オンラインだとちと寂しいというか満足しないかもと思ってしまいます。ただ、オンラインでも人とのつながりや、近くにすごい人がいてその人から色々アドバイスをもらいながら筋トレできるようなら、代替できるかもとも思います。
というわけで本日はこの辺で~