ヤフーとネイバーから読み解く検索エンジン企業の今後(日韓検索エンジン企業比較)
[本日のアジェンダ]
- ヤフーの振り返り
- ネイバーについて
- 今後について
ヤフーとネイバーについて
お久しぶりです。ザーニーです。
今回は前回と同じように国内企業のヤフーと、韓国の企業であるネイバーの比較をやってみたいと思います。
両社とのヤフーは日本国内で、ネイバーは韓国国内で検索エンジンで大きなシェアを誇っている企業なのですが、意外とこの二社を見てみると、売上構成や今後の方向性に少しずつ違いあって面白かったので、記事にしてみました。
ヤフーについて
ヤフーに関しては前回の記事でも取り上げているので詳しくは触れませんが、下記の資料をご覧ください。
売上高の成長率が4.3%で成熟してきた感のあるヤフーですが、eコマース事業に関しては国内流通総額が14.0%も伸びているので、まだまだ成長できそうです。
売上構成がいくつかあるうちの広告に関しては、7%成長を遂げているようですが、特にディスプレイ広告が急激に伸びているのがわかります。
また特にスマホ向け広告に関していえば、年間で15%成長しているうえに、ディスプレイ広告及び検索連動型広告の両方とも右肩上がり成長しているので、ヤフーの広告事業は言わずもがなスマホ広告の部分でいかに成長するかがポイントでしょう。
あと、映像などのメディア事業も、詳しい数字は開示されてませんが、着実に伸びているようです。
続いては、コマース事業になります。
こちらは、まだまだ利用者数や取扱高などが軒並み高い成長率であることから、事業として高い成長を期待できるので、まだまだ大きくなるポテンシャルを秘めていそうです。(今までで一度もヤフーショッピングで買い物したことないですが‥笑)
今後は、ヤフー全体としてみたら、まずコマース事業を拡大させることに注力するのは確実かと思われます。ではどうやって拡大させていくかはまた後程・・。
ネイバーについて
ネイバーは韓国のIT系の会社で、検索エンジンなどが有名なサービスですが、日本だとLINEもネイバーと関連がありますし、よくネットでみる「ネイバーまとめ」などのサービスもあります。
そんなネイバーの決算資料を(韓国語のリハビリがてら)読んでみました。
えー、韓国語読めない方は何が書いているかわからないかと思うのですが、
まず数字の単位ですが、10億ウォンとなっています。
なので日本円で考えると、10億ウォン=1億円と考えてもらったらいいかと思います。
その下の韓国語は
영업수익:売上高
광고:広告
비즈니스플랫폼:ビジネスプラットフォーム
IT플랫폼:ITプラットフォーム
콘텐츠서비스:コンテンツサービス
LINE 및 기타플랫폼:LINEやその他のプラットフォーム
영업비용:営業費用
영업이익:営業利益
당기순이익:当期純利益
になります。
まず売上高を見てみると、売上高は約1,200億円(四半期)で、成長率は年間で16.7%成長をしています。ヤフーとは桁違いのスピードで成長しているのがわかります。
ただ、売上構成を見てみると、広告は成長率5.4%でヤフーと同様高い成長率は見込めなさそうです。
ただ、一番売上の高いビジネスフォーラムは16.9%成長、ITプラットフォームは70.2%成長をしておりこちらはおそらく第三の事業として立つことは間違いないでしょう。
ビジネスフォーラムやITプラットフォームがどんな事業をしているかは、この決算資料ではわからなかったのですが、HPにいくといくつかサービスが紹介されていました。
例えば、ネイバーIDに紐づけて、いろいろな施設の予約ができたり、簡単にサイトやネットショップを作れたり、チャットワークのようなビジネスチャットサービスがあったりなど、様々なサービス群をそろえていました。
あと興味深かったのが、投資のシートの左にある研究開発費で、
四半期だけで売上高1,200億円規模の会社が、280億円もの研究開発費を投下していることに、大変驚きました。
以前のcriteoの時は、売上高比7%程度だったかとおもうので、いかにネイバーが研究開発に投資しているかがわかるかと思います。
今後について
両社の今後についてですが、
ヤフーに関してはちょうど昨日、僕がめちゃめちゃ参考にしている(なんならめちゃ尊敬している)シバタナオキさんが、ヤフーのクレジットなどのFintech事業における記事を書いていました。
https://irnote.com/n/n478e1e272a06
シバタさんが言うなら、もうその通りですとしか言えないですが(笑)、自分の言葉で書くと、
広告:スマホ向けに完全に投資
コマース:取引総額及びユーザー数の増加のために投資
していくことは見えています。特にコマース事業の拡大としてシバタさんが触れられているように、株式会社ジャパンネット銀行を子会社にして、クレジットカード事業を積極的に推し進めていくのかなと思っています。
今ネット系の会社で流行している経済圏作りに関してはヤフー単独ではやらず、ソフトバンク経済圏の傘下に入ってユーザーの利用価値を高めるものと思います。
一方ネイバーですが、方向性としてはプラットホームを盤石にしていく方向になるかと思います。なので、ネイバーアカウントですべてが完結するような世界観を目指していくのだと思います。もちろんそこには決済も含まれてくると思うので、より金融事業と絡めてくることは予想されます。
ただ、それだけではなく、スマートスピーカーのようなIOT関連にもおそらく大きく注力すると考えています(むしろこっちが強いかも・・)
そのための人工知能の研究にあれだけの研究開発費を投じているのかと思うと、日本企業もうかうかしていられませんね・・。
ということで今日はこの辺で。