sansanの決算についてみてみた
[本日のアジェンダ]
- sansanの決算について
- 何か月で回収してるの?
どうも、ザーニーです。
本日は国内saas事業の雄である、sansanの業績についてみていきたいと思います。
sansanといえば、国内企業の中では当時2社しかいなかったユニコーン企業(未上場で時価総額1000億円以上)のうちの一つであり、今年の6月に東証マザーズへの上場を果たし注目を浴びました。
そのsansanですが、つい先日1Qの決算内容についてリリースが出ていたので、ぶっちゃけ業績的にはどんな感じなのか、しっかりみていきたいと思います。
sansanの決算について
それではsansanの決算を見ていきましょう!
まず、2020年5月期の第一四半期の売上高を見てみると、売上高は31億円でYoY35.8%と高成長を続けてます。
また、CMでお馴染みなsansan事業だけでなく、Eight事業も直近でYoY179%成長とsansan事業以上に成長しているのがわかります。
sansan事業の契約件数も着実に伸ばしており、契約当たり月次売上高(ARPA)も伸ばしているので、しっかりアップセルができているようです。
また、驚異の解約率(決算資料では、既存契約の月次課金に占める解約に伴い減少した月額金額の割合)が0.63%とありえないほどの解約率の低さを実現できていることから、ほとんどの会社がsansanを導入するとそのシステムをスイッチするコストの方が高くつき、結局継続して利用するのが見込まれる、というのが見えます。
また、最近では1,000人以上の規模の会社への導入が進んでいるようです。sansan事業は交換する月間の名刺枚数に応じて変動する売上もあることから、規模の大きい会社への導入が増えれば増えるほど売上が大きく膨れていく構造になります。
その証拠に現在のsansanの売上の半数近くが直近の2,3年の期間で獲得した会員による売上であるのをみると、最近は大規模の会社への導入が進んでいるのが伺えます。
また、Eight事業については、最近はBtoCよりBtoBサービスの売上が急激に伸びているようです。またユーザー数も着実に伸ばしてきており、売上・ユーザー数共にまだまだ伸びそうな事業です。
まだ事業単体では赤字のようですが、ユーザー数のさらなる獲得のために広告宣伝費を積極的にかけているので赤字になっているようで、sansanとしたら広告宣伝費さえ絞れがいつでも営業黒字にすることは可能ですよ!、と言っているようです。
また、よく聞く意見として国内市場だけのドメスティックでのみ通用するのだと全然ダメじゃないか!というのも聞こえてきそうですが、sansanが手がける事業は国内でもまだまだ開拓の余地が存分に残っている分野でもあり、当分はドメステックの日本市場で圧倒的ナンバーワンになることができるよう、投資などを継続していくでしょう
何ヶ月で回収しているのか?
では、sansan事業でもEight事業でも多額の広告宣伝費を投下して、会員数や一般ユーザー数を伸ばしているのですが、だいたいどの程度の期間で回収ができるのでしょうか?
IR資料では前期の一年間で676社純増しているのと、広告宣伝費が前期で28億円利用しているので、もし仮にsansan事業の新規会員獲得のために全て広告宣伝費を投下した場合の、1会員あたり獲得コストは420万円となりこれは現在の月次のARPA(156,000円)で割ると27ヶ月(2年と少し)となりました。
つまり、もし仮に全ての広告宣伝費をsansan事業に費やしていたとしても、2年少しで回収することができるということになります。
(実際はARPAも年々上昇しているのと、すでにある一定の認知度があるのと、純増数ではなく純粋な獲得社数だともっと短いスパンで回収できているはずです)
saas系のビジネスモデルで、解約率も0.63%しかないsansanにおいて、2年少しで回収しきることができるのであれば、またどんどん広告を打ち続けて会員数とEightのユーザー数を確保しにいくことが予想されます。
今後考えられるシナリオとして、今度は銀行借入を利用して資金を調達して、投資しいくというケースが考えられそうです。それも投資先としては海外展開を見越して、海外のsaas系でsansanと同じようなソリューションを展開している海外のサービスなどを買収して海外進出を本格化させるのも時間の問題かと思われます。
今後のsansanに注目してます!
本日はこの辺で〜