2019年にIPO(上場)した企業の現在の状況をみてみた

[本日のアジェンダ]

  • 2019年のIPOの特徴に関して
  • 一年後の現在株価はどんな状況か?

 

どうも、ザーニーです。

 

年始の投稿よりご無沙汰しております。

本日は前回までのJリーグチームのPL&BSの記事と少し変えて、昨年(2019年)にIPO(上場)した会社の状況が現在どうなっているのか、という視点でちょっと見てみたくなったので、調べてみることにしました。

 

ただ、一応一年間ほどの株価の推移や、実際の業績予測に対する進捗などを見てみたいので、2019年1月1日~2月28日までに東証マザーズに上場承認がおりた会社のみピックアップして、みてみることにしました。

 

そのため、sansanやfreee、メドレーといった割と直近でIPOした会社に関しては、今回の記事のサンプルからは対象外となります。

 

IPOに興味ある方などに是非みていただきたいです!

 

 

2019年のIPOのトレンドについて

昨年IPOした企業の現在を見てみる前に、改めて2019年のIPOはどんな特徴があったのか、見ていきたいと思います。

 

参考になるのがこの記事でした。

www.obc.co.jp

 

一応こちらの記事を大きくまとめてみると、

  1. IPO社数は微減も、マザーズ上場数は過去最多
  2. 主幹事証券会社は、1位がSMBC日興証券で僅差で2位が大和証券
  3. 上場日が遅くなる傾向になりつつある
  4. 上場審査が厳格に・・
  5. 初値は調子よかったが今はめちゃ下がってるケースも多々・・

 

みたいな感じでした。

 

個人的な感想としては、IPOした社数自体は微減であったとしても成長企業の多くが選択するマザーズでの上場企業数が過去最多なのは、雰囲気としては良かったのではないかなと思います。

ただ、昨年の後半に上場した会社で、以前の企業価値(バリュエーション)を下げてでも上場するケースや、初値が公開価格を下回るケースなどが目立ってきていたので、昨年の後半から「駆け込み上場」をしているんじゃないかな、っていう印象を持ちました。

 

また、IPO審査が年々厳しくなってきていることはここ最近言われていることではありますが、特に「親子上場」に関してはとても風当りが強くなってるな、という印象です。

 

日経新聞とか読んでると、親子上場に関する記事が結構出てたので、東証の気持ちとしては親子上場を減らしたい、というのが本音なのでしょう。

 

詳しくはこちら

www.nikkei.com

 

また、後程も触れますが、2019年のIPOは、saas系の会社が特に多かった印象です。

有名なところだとfreeeやsansan、後程触れるカオナビなどもそれに該当し、特に市場を牽引した印象です。

 

↓スマレジの成長可能性に関する資料

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4431/tdnet/1680158/00.pdf

 

↓カオナビの成長可能性に関する資料

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4435/tdnet/1684311/00.pdf

 

IR資料好きの観点から、saas系の会社の「成長可能性に関する資料」を一通り目を通してみましたが、結構ストーリー的にはどこも似たり寄ったりな感じだったのが印象てきでした笑

現在の日本の労働人口労働生産性の問題点を提起して、とりわけ中小企業向けに特化したサービスを展開して、社会問題の解決に取り組んでます!という流れのストーリーがどこも同じでした笑

それだけ、中小企業の生産性向上のニーズと問題意識が高いという表れかなと思うのと、saas系の会社は上場後の株価の推移も安定して上昇しているので、トレンドに合ったタイミングで上場できるか、も資金調達の観点では見逃せないテーマかと思います。

 

一年後の現在株価はどんな状況か?

 

では、2019年1月~2月の間で、東証マザーズに上場承認が下りた会社の現在を見ていきたいと思います。

 

結果は以下のようになりました。

※現在の価格及び、時価総額は2020年1月27日時点のものです

企業名 公開価格 初値 現在の価格 時価総額(億)
識学 1,800 4,550 1,381 103
リックソフト 4,000 9,050 6,230 266
フロンティアインターナショナル 2,410 2,715 3,150 140
スマレジ 1,370 3,225 3,345 316
サーバーワークス 4,780 18,000 10,450 353
カオナビ 1,980 3,970 3,965 431
コプロHD 2,090 2,395 2,900 145
みんかぶ 1,050 1,400 1,359 176
ギーク 1,930 2,900 1,710 179
gooddaysHD 2,280 5,200 1,683 56
NATTY SWANKY 3,270 3,930 4,075 86
フレアス 1,850 4,045 1,079 25
日本ホスピスHD 1,000 1,446 2,675 204
エードット 1,110 2,453 4,305 105
Welby 5,200 18,030 1,759 137
TOUMEI 3,290 4,205 1,244 90


上記のスマレジ・カオナビといったsaas系で中小企業の人たちを支えます!系のビジネスは、公開価格に対して高い価格で初値がついており、その初値あたりや初値を上回る価格で取引されていたりしているので、現在も評価が高いことがうかがえます。

 

投資家たちがsaas系のビジネスの会社に対する安心感みたいなものが市場に広まっており、四半期の決算で売上高成長がよっぽど計画より下がらない限り、大きく株価を落とすことは、あまり考えられないのかなと思います。

 

また、フロンティアインターナショナルやエードットといった、PR・ブランドコンサル事業の会社についてもとても株価が伸びており、期待の高さをうかがえます。特にフロンティアインターナショナルは、ラグビーW杯や今年の東京五輪もPRを担当するとのことなので、結果がよければ今よりももっと高い企業価値(株価)がつく可能性もあり期待してます。

 

逆にWeblyやフレアスのような、下方修正を発表した会社の株価は大幅に下落してしまっているのが分かります。

業界やビジネスモデル関係なく、上場後早い段階で下方修正を出してしまうと、株価を大きく下げてしまうというのが分かります。

 

最後に時価総額についてですが、上記の会社たちの現在の時価総額の平均が175億円で、上場時における時価総額の平均がちょうど約300億円ほどでした。

この点をみてみても、いわゆるバブルみたいな好景気が終わり冷え込みつつあるな、というのがうかがえます。

 

ということで本日はこのへんでー